AI活用法

「AIで稼げる」は本当か?起業家が知るべきAI活用の不都合な真実

大銅保幸

最近、「AIを使えばお金を稼げる」「AIで月〇〇万円」といった話を目にする機会が増えました。

新しい技術であるAIに、期待を寄せる方は多いでしょう。

しかし、本当にAIは、それほど簡単に収益を生み出す魔法の道具なのでしょうか?

今回は、AIを使って起業を始めたい方や、AIに興味があるビジネスパーソンの方。

その方に向けて、世の中にあふれる「AIで稼げる」という情報。

この真偽を見分けるポイントを、わかりやすく解説します。

起業でAIを活用するための、ヒントになるとうれしいです。

なぜ「AIで稼げる」情報がありふれるのか?その裏側

AI技術は目覚ましい進化を続けています。

驚くようなことができるようになってきました。

これまで専門家でなければ難しかった高度な作業も、AIを使えば手軽に実行できるようになりました。

しかし、この「手軽さ」や「新しさ」が、時に大げさな情報や誤解を生む原因となることがあります。

世の中にある「AIで稼げる」という情報の多くは、AIそのもので収益を上げているとは限りません。

AIで稼げるという「情報やノウハウを売る」ことで、その提供者自身が収益を得ている」

そして、買った人はいまいち稼げてない、、、

そんな構造になっているケースは、少なくありません。

これは、今までもあった情報商材と同じではないでしょうか。

彼らは、AIの最新動向やツールの使い方を巧みに利用し、「誰でも簡単に」「短期間で」「特別なスキル不要」といった甘い言葉を使うことがあります。

AIに詳しくない方や、早く成功したいと望む人々を惹きつけます。

しかし、その内容は、本当にビジネスの原理原則守っているのでしょうか?

もしかしたら、新手の詐欺。それは言い過ぎにしても、思ったほど良い話ではなかった、というケースも少なくないのではないでしょうか。

「AIで稼げる」情報の3つの落とし穴を見抜くコツ

では、私たちはどのようにして、信頼できる情報とそうでない情報を見分けるべきでしょうか?

ここで、ありがちな3つの落とし穴がありますので、紹介しますね。

落とし穴1:具体性の欠如と、抽象的な成功事例

「AIで稼げる」と主張する情報の中には、具体的なビジネスモデルや、AIがどのように収益に役立ったか分からないものも多く見られます。

  • 確認すべきポイント:
    • どのようなAI技術(ツール)を、具体的にどのようなビジネス課題に、どのように適用したのか。そこがはっきりと説明されていますか?確認できないのであれば、聞けば教えてもらえそうですか?
    • 「AIで記事を書いて稼ぐ」といった抽象的な説明では足りません。ターゲットとなる顧客、提供する価値、収益モデル、競合との差別化など、ビジネスの根幹は語られていますか?
    • 具体的な事例や数字が示されていますか?たとえば、「〇〇のAIツールを使い、△△というプロセスを自動化した結果、顧客獲得のコストがXX%削減された」といった話です。

ぼんやりした言葉で飾られた成功談や、誰もが知っているようなAIツールの紹介だけの場合。

AIで稼げるという話の信頼性は、低いと判断されても仕方ありません。

本当に成果が出ているのであれば、具体的なプロセスや数字を提示できるはずですしね。

落とし穴2:再現性の低さと「個人の成功体験」の罠

「私がAIを使って月〇〇万円達成しました」という個人の成功体験は、一見すると説得力があるように見えます。

しかし、その成功が「あなた」にも同じように再現できるかは、全く別の話です。

  • 確認すべきポイント:
    • その成功は、情報提供者の特定のスキル、既存の顧客、ブランド力、あるいは参入したタイミングなどに依存していませんか?
    • 他の複数の「一般の方々」が、同様の方法で実際に成果を出している事例が示されていますか?
    • その方法が、特定の市場やニッチな需要に特化しすぎていませんか?

コンサルティングの世界では、「自分が稼ぐよりも、他人を稼がせる方がはるかに難しい」と言われることがあります。

個人の成功体験は、その人の努力や才能、運の要素が大きく影響している可能性があります。

それをそのまま他の方が真似しても、同じ結果が出るとは限りません。

再現性の低いノウハウは、時間と労力の無駄に終わる可能性が高いでしょう。

落とし穴3:顧客を喜ばせる視点が見えない

AIはあくまで道具です。

ビジネスが成功するのは、顧客の課題を解決し、喜んでもらえる価値を提供した時です。

「AIで稼げる」という情報の中には、顧客に価値を提供する、という一番重要な視点は入っていません。

単なる「小手先のテクニック」や「ツールを使った裏技」に終始しているものがあります。

  • 確認すべきポイント:
    • そのAI活用法が、顧客のどのような困り事を解決し、どのような良いことを提供することにつながるのか。それが分かりやすく説明されていますか?
    • 単に「AIで文章を大量に作る」「AIでメールアドレスを集める」といった、手段が目的化していませんか?
    • そのやり方が、長期的に持続可能なビジネスの仕組みの一部となっていますか?

ビジネスは、顧客に「ありがとう」と言われ、その対価として収益を得ることです。

キレイごとに聞こえますが、長く続くビジネスのためには押さえておきたい事です。

AIは、その「ありがとう」を得るための作業を効率化したり、質を高めたりするのに役立つ道具です。

しかし、AIそのものが価値を生み出すわけではありません。

AI時代に本当に重要な「人間の力」

 

では、AIを起業に活用する上で、私たちは何に力を入れるべきでしょうか?

それは、「人間の力」と「ビジネスの基本的なルール」です。

顧客心理の深い理解と「人間力」

結局のところ、サービスや商品を購入するのは「人間」です。

AIが自動的に「この人のサービスに申し込みます」と決めるわけではありません。

顧客が何を考え、何に悩み、どうなりたいと思っているのか。

その「顧客心理」を深く理解し、その気持ちに合った最適な提案ができるようになること。

それが、ビジネスを成功させる鍵ではないでしょうか。

そう考えると、AIは、顧客の気持ちを直接教えてくれるわけではありません。

ただ、顧客データの分析、ペルソナ作成の補助、そして顧客に響くメッセージを多数生成してテストすること。

そういった顧客心理を深く理解し、それに合ったメッセージを作るための「調査」「分析」「試行錯誤」の時間を大幅に短縮し、その質を向上する手助けをしてくれます。

「言語化の質」と「行動力」

AIを最大限に活用するには、私たち人間が「言葉にする力」が極めて重要です。

「人生を豊かにするには、質問の質がポイントだ」

そんな言葉を聞いたことがあります。

AIもまた、私たちがどのような言葉を投げかけるかで、返ってくる答えが大きく変わります。

明確に言語化する力が、AI活用の鍵となります。

どんなに優れたAIツールがあっても、最終的に成果を出すのは「行動する人」です。

AIは、行動する人の「行動の質」と「行動の量」を増幅させる加速装置のようなものです。

行動しない人にとっては、どんなに優れたAIツールも宝の持ち腐れとなってしまうでしょう。

まとめ:AIは「手段」、成功は「人間」が創り出すもの

「AIで稼げる」という甘い言葉に惑わされることなく、冷静にその本質を見極める力を持つこと。

それが、AI時代の起業家には不可欠です。

そうでなければ、薄っぺらい謳い文句で「楽に稼げる!」という言葉に飛びつくこれまでの人と変わりません。

AIは起業家にとっても、計り知れない可能性を秘めた強力なツールです。

一方で、それはあくまで「道具(手段)」です。

その道具の力を最大限に引き出すのは、AIの個性を理解し、賢く使う人間の知恵と行動力。

そして何よりも、顧客の幸せに貢献しようとする気持ちです。

AIは私たちを「思考停止」させるのではなく、むしろ「より深く思考する」ように促し、本質的な価値創造に集中するための時間を与えてくれます。

AIをただの効率化の道具として見るのではなく、AIビジネスを共に成長させる「協力者」として捉え、顧客に真に響く価値を提供できるよう、賢く活用していきましょう。

ちなみに私は、AIを使えば稼げる、という誇大広告は出しません。

ただし、AIを活用したほうが良さそう。でも、AIってそもそも何ができるの?

AIの使い方が分からない。

そんな時は、ここからご相談ください。

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